モンテッソーリ教育って一体何なの?!
- 2021.04.04
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《当園ではモンテッソーリ教育を取り入れています》と掲げる園もあるほど、教育法として日本にも普及されています。聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?何を隠そう、筆者はドイツへ視察に行った経験があります。その体験談も交えてモンテッソーリ教育について学んでいきましょう。
モンテッソーリ教育とは?
20世紀初めにマリア・モンテッソーリによって考案された教育法。マリア・モンテッソーリはイタリアで精神科の医師として知的障がい児への感覚教育法を施し、知的水準を上げるという成果をあげました。
その経験をすべての子どもに還元できるのではないかと考え、1904年に「子どもの家」という保育園を設立し、独特な教育法を完成させました。その思想や理念は現在も受け継がれており、ドイツでは各所でこの教育法を取り入れた幼児教育施設があり、それだけでなく、小学校以上の教育も一貫して行っていました。
この教育法の根本にあるのは、「知りたいという欲求がある子どもたちは環境さえ正当に整っていれば、自ら選び、試し、理解し、応用していくものである。」という考えです。
実際、視察に伺った園では、ままごと遊びにしても、片づける場所・個数が見てすぐわかるように配置されており、包丁以外の用具は本物を使用していました。それも思想の一つです。
保育者や教員は子どもの発達を熟知し、大人主導の教育がなされないように育成されていました。
そして、日本の教育事情しか知らなかった私が衝撃を受けた光景が、小学校教育です。教室の広さは日本の教室の3分の2程の広さ。そこにいるのは4人の生徒と3人の教員です。子どもは登校すると、その日の学習予定を自分で決めます。
その決定に基づいて教師は必要な教材や教科書の提案や準備に取り掛かります。年間の学習すべき内容はあるようですが、それを組み立てていく事も子ども自身が進めます。日本では考えられない光景でした。
日本におけるモンテッソーリ教育
日本では、自由度が高い幼児教育についてはモンテッソーリ教育を展開している園もありますが、小学校以上教育では難しい事情があります。水準というものを大切にしてきた日本の教育では、学習指導要領を基に、一斉授業で同じレベルの知識を持てるように授業がなされます。
メリットデメリット両面ありますが、モンテッソーリ教育と日本の学校教育は相性が良くありません。ですので、幼児教育での展開しかできないのです。では、具体的に幼児教育でどうやって取り入れているのでしょうか。
幼児教育でのモンテッソーリ教育
大きなテーマが、生活に基づいた営みを展開しそれに必要なスキルを自分で獲得していく。というものになります。分かりやすく、以下のような特徴があります。
遊びではなくお仕事
・その思想独自に開発された教具を使っての活動をお仕事と呼びます。これは遊びではな く、自己形成という確たる目的があり、遊びとは一線を画すためです。
ひも通しや金属磨きなど、独特のお仕事がある
・独自に開発された教具には日々の生活に根付いた、そして必要性のあるスキルを獲得すべく取り入れられています。
縦割り教室
・年齢ごとのクラスではなく、2歳~6歳までの年齢が一つのクラスです。教室の中に社会や家庭が形成され世話をしたり、真似をしたりなどして社会性と技能を習得していきます。
行事は控えめが多い
・発表会やクリスマス会など最低限の行事はありますが、年間での行事は控えめにし、日々の生活から身に付けるスキルを最重要視しています。
まとめ
およそ、日本人の価値観では想像もつかない教育がなされているモンテッソーリ教育はその確固たる理念の基、子どもの生活と発達に根付いた日々が展開されています。
そこでは自立に向けて綿密に練られた環境が用意され、徹底した育成を受けた教師や保育士が最高のサポーターとして育ちや学びを支えています。
小学校以上教育につなげることが出来ない現状が残念ですが、関心がある方は是非、調べてみてください。