保育士なら知っておきたい、絵本の読み聞かせで大切なポイント
- 2021.04.04
- お役立ち情報
保育士でしたら絵本の読み聞かせは毎日の大切な仕事の1つ。 絵本の読み聞かせと聞いて、普段どういったことを意識しながら読んでいますか? ここでは絵本のもたらす効果と共に、読み聞かせのポイントをご紹介します。 もし今まで何となく読んでいた、という方はぜひ参考にしてみてください。
絵本の読み聞かせが子どもに与える効果とは
情緒が安定する
子どもたちがすぐ泣いたり怒ったりするのは、自分の気持ちを表す表現方法を他に知らないからです。絵本の読み聞かせを行うことで、子どもたちはさまざまな感情表現を学びます。この積み重ねがお友達や周りの大人との関わり合い方に良い変化をもたらします。
また「読んでもらう」という特別扱いを受けた中で、同じ時間を分かち合い喜びに共感することで、子どもたちは安心感と幸福感を感じることができます。
生活習慣など、ものごとへの理解が深まる
例えば子どもたちに「手を洗ってからご飯を食べよう」と口で言っても、なかなか理解してもらうことができません。それは「なんでご飯を食べたいのに、手を洗う必要があるのか」を理解していないからです。
そんな時に絵本が役に立ちます。
絵本は子どもに「因果関係」を楽しく教えてくれます。手を洗わないとバイキンがたくさん増えてしまう、だから食べる前には手を洗おう!こういった原因と結果を絵本で知ることができると、子どもの中でも納得感が生まれやすくなります。
知的好奇心のきっかけとなる
絵本は子どもにとってテレビと同じくらい重要なメディアです。どうぶつ、ことば、数字、色、乗り物、食べ物、人との関わり方など。特にテーマを絞ってわかりやすく伝えてくれるところがメリットです。世の中にあるさまざまなものを知ることで、学びに対する興味やモチベーションが上がっていきます。
集団で聞くことでより効果的に
保育園で園児みんなに向けて読み聞かせをすると、一緒に楽しみ理解しようとする積極性が生まれます。他の子どもたちと時間を共有し刺激を受けることで、相互作用が働き絵本の時間がより豊かになります。
読み聞かせの大切なポイント
保育士は陰の立役者であるという意識
あくまでも主役は「子ども」と「絵本」です。
保育士は主役を引き立たせるための名脇役のような存在と認識しましょう。
絵本の読み聞かせは子どもたちの想像力を邪魔しないことがとても重要です。
必要以上に大げさに声を出したり、身振り手振りをしたり、アドリブをいれてしまうと絵本のもつ魅力が半減してしまう可能性があります。
大切なことは「絵本の元々持っている良さを消さないこと」そして「子どもたちの反応をしっかりと確認して適度な表現にすること」です。
集中できる環境作りを徹底
- ・子どもたちは集中力がありませんので、いかに注目してもらえる環境づくりができるかが大事なポイントになります。特に事前準備が大きな鍵を握ります。
- ・絵本の背後に注意力を削ぐようなものはないか(おもちゃ、動くもの、人が通る廊下など)。
- ・全員がちゃんと見える位置か(子どもは視力が低いのでなるべく近く)。
- ・絵本にめくりやすい開きグセをつけているか。
- ・興味を持ってもらう前振りができているか。
- ・なるべく一度読んでおく。
こういったところがポイントです。
また絵本を読むときは
- ・ゆっくりと、はっきりと読む。
- ・自分の手が世界観を遮らないように、中央下からページをめくる。
- ・裏表紙まできちんと見せて余韻を感じてもらう。
こういったところに注意しましょう。
感想をすぐに聞かないこと
読み聞かせの後にすぐに感想を聞いてしまうことは控えましょう。
子どもたちは自分で絵本の内容を振り返り、想像力を膨らませて、湧き上がってくる感情を噛みしめている状態です。もし感想を聞いてしまうと、まだ言語化のできない感情にもどかしさを感じて台無しになってしまうことがあります。子どもたちが自発的に感想を言うのを待ってみて、もし話してくれたらそのことに共感をしてあげましょう。
まとめ
絵本の読み聞かせのポイントについてご紹介しました。保育士はあくまでも絵本と園児のサポートをする陰の立役者であることを再認識しましょう。ぜひ最高の環境づくりをして、園児たちのキラキラした反応を感じてみてください!