複数担任のメリットとデメリット

2021.04.04
お役立ち情報
複数担任のメリットとデメリット

今回の記事は複数担任についてです。 ●担任が複数必要な条件 ●複数担任のメリット ●複数担任のデメリット の3つに分けて述べていきます。

複数必要な条件

子どもに対しての保育者の数というものが定められており、

0歳児   子ども3名につき保育者1名以上

1・2歳児 子ども6名につき保育者1名以上

3歳児   子ども20名につき保育者1名以上

4・5歳児 子ども30名につき保育者1名以上

となっております。

その他にも特別支援が必要な子どもの加配保育者や新人保育者の指導のためのバディ・プリセプターなどにより、クラス内に保育者が増える事があります。

一般的には、乳児クラスは複数担任になり、幼児クラスは1名でクラスを運営していくようになります。

複数担任のメリット

何よりも、分担出来るというメリットがあります。保育士の業務は多岐に渡ります。保育・保育室内の清掃・子どもの持ち物の管理・書類・研修など。その作業を分けられるのは本当にメリット。

一人あたりの作業量が格段に低くなりますし、また、休暇も比較的取りやすい傾向にあります。保育を見合う環境にあるので、互いに高められる状況にあることで保育スキルを高めてくれます。

特に発表会などの製作物が多くなった時には一人担任からするとうらやましいほどに作業が早く終わります。

更に、悩みごとなどを共有しやすく、子どもへの視点も多角的になる事が子ども理解を深めるきっかけになります。

複数担任のデメリット

デメリット・リスクもあります。経験年数が違う場合、(ベテランと新卒など)ベテランの流れに左右されてしまう事です。

保育に熱が入るあまり、自分の保育観を押し付けてしまうケースが実は多くあります。子どもへの視点のコツを伝える事や社会人としてのマナーなどを指導するなどは経験上位者の責務ではあるものの、保育観というものはそれぞれが自分で獲得していくものであると筆者は思います。

それを、『こうするべき』という押しつけはその人の個性や感性を潰してしまうことに繋がります。

育成が上手なベテラン保育士の基であれば、保育が楽しい、奥が深い、やりがいを見いだせたなど、保育士という仕事に誇りを持てるようになります。

筆者が新人の時の経験を少しお話ししましょう。

1年目は年中クラスで脳性麻痺の子どもの加配として配属されました。脳性麻痺の子どもをお預かりする事が園として初めてだったこともあり、その時の担任の先生も『あなたが思うようにやってみて改善してこう』と、手探りの1年間でした。

2年目は年長クラスの一人担任。当時は2クラスあったので、隣のクラスには10年以上経験の中堅保育士がおりました。初めての一人担任で、右も左も分からない中、見様見真似で日々をこなしていく保育。そんな私を見て、隣のクラスの保育士から『誰のためにやってるの?』『目的をもってやってる?!』とよくお叱りを受けていました。

一年間怒られっぱなしで、時には理不尽にその時の気分で怒鳴ってくる事もあり、悔し涙を流したこともありました。しかし、一年間を終えて自分のスキルと仕事への誇りが芽生えている事に気付きました。

中堅保育士が本気で保育を考えていたからだと思います。その姿を見て、この仕事にこれだけ熱意をもって取り組んでいる人がいるという事にそれまでの保育士という柔らかいイメージから、プロフェッショナルな仕事であるという認識に変わりました。

このように、複数担任で、気難しい保育士と同じクラスになった場合でも、自分の気の持ちようでは、プラスに変換することも出来ます。

まとめ

複数担任の場合、子どもの人数によって決まる

・上記に記載

メリットは分担・学び合い

・作業の分担は時短に繋がり、他の作業もしやすくなる

・互いの保育を見合って、高め合える

デメリットは先輩保育士に左右される

・育成が得意な保育士にあたれば超ラッキー

・気難しい保育士の場合は反面教師にする

です。保育士というかけがえのない仕事を長く続けていくためにも、まずは気付く、学ぼうとする姿勢が大切です。また、園内で相談できそうな保育士を出来るだけ早く見つけましょう。一人で抱え込まずに、子どもも保育者も楽しい保育が展開されていく事を心より願っております。