変形労働時間制で働く事は難しい!?

2021.04.04
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変形労働時間制で働く事は難しい!?

転職を考えた時に、募集要項の中で「変形労働時間制勤務」と記載されているものがあります。「何これ?よくわからないから止めとこう」とチャンスを棒に振ってしまっている場合があります。 この記事は変形労働時間制勤務についてお伝えしたいと思います。

変形労働時間制の解説

変形労働時間制とは働き方の一種で、働き方改革の一つとして2019年に参議院本会議で成立した制度になります。労働単位を年間・月間で調整することが可能で、「18時間勤務」という制約がなくなります。一週間で40時間という上限の中で、その割り振りは自由に決められるという事になります。

例:月曜日~水曜日…一日7時間労働※平常運転

木曜日…一日10時間労働※忙しかった

この時点で労働時間は31時間になります。

金曜…7時間労働 ここで38時間

土曜…2時間労働 土曜は2時間しか働かなくていい

もっと極端に言うと

例:月曜~木曜10時間労働

金曜・土曜:休み

という事です。

理屈でいえば、週間・月間の定められた労働時間をクリアできれば自由に勤務を調整できるという事になります。そして、それを超える場合に残業手当が支給されるという事になります。

労働時間上限が青天井だったらどうなるの?!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、1日の労働時間の上限は8時間と決められているのでご安心ください。

保育園における変形労働時間勤務

とはいえ、「私、今日は12時間働くので、明日は休みまーす」とあまりにも自由な事をしてしまうと担任や大切なポジションを任されることもなくなりますし、同僚からの評価も下がってしまいます。

ですので、実質的にその調整をするのは、園長や主任といった管理職に任されることが現状です。実は、私が勤めている園は変形労働時間制を取り入れています。だからと言って大きな変化があるかと言えば全くなく、シフトは今まで通り早出・遅出を交代で行っています。

変わった事は園長から「先生は今月すでに規定の労働時間を超えているから勤務を調整して休んでもらいます」と言われることです。シフトは定められた時間ちょうどに組まれているので、それ以外に行事等で帰りが遅くなった場合にはそのように休みを貰えるようになりました。

現場の保育士よりも勤務を管理する側に対して労働の仕方にふり幅を持たせなさい。という制度のように思います。また、政府が推進している副職・複職をしやすい環境づくりになっているのではないかと思っています。

この制度の危険性

自分が管理職でない限り、この制度はあまり影響がないように思いますが、危険性も孕んでいると筆者は考えます。労働時間を管理する側がきちんと把握していない場合です。

出勤・退勤の時間を明確にしていない場合は残業代がいくらつくのか分かりませんし、まだ規定の時間に達していないからもっと働いて。と言われてしまう可能性もあります。そうならないためにも、自分できちんと時間を記入していくなどの自己防衛も必要ではないかと思います。

変形労働時間制度の実体験

ある園では、来年度、こんな事を取り入れると宣言されたそうです。

「変形労働時間制を活かして、1年のうちに希望する休みを1週間連続で許可します。有給扱いではなく、公休扱いになります。行事の前は先生たちも頑張ってくれているので、どうぞゆっくり体を休めて下さい。但し、複数人同時という事は難しいのでそこは調整させて頂きます。」

保育士は大喜びだったそうです。子どもがいる家庭は「旅行に行きたい」とも言っており、働く意欲にもつながったように思います。こういったメリハリのある働き方が出来る事もいい点だと感じました。

まとめ

  • ・変形時間労働制は週間・月間で規定の勤務時間を労働する事
  • ・保育園に置いては、管理職にゆだねられることが多い
  • ・危険性もあるので、自分でも管理しておく事も大切である
  • ・メリハリのついた勤務になり、休みを取る理由が明確になる