保育士の職場実態~保育士の年齢層~

2021.04.04
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保育士の職場実態~保育士の年齢層~

皆さんの職場はどのような年齢層で構成されていますか?中小企業であると入れ替わりがあまりなく、定年を迎えた職員の補充のような形で新規採用されることが多いのではないでしょうか?また、体力仕事や肉体労働であると若い世代が中心となって構成されているのかもしれません。では、保育士はどうなのか?現状と原因をお伝えしていきたいと思います。

保育士の平均年齢

厚生労働省のデータによると、保育士の平均年齢は34.8歳となっているようです。保育士のデビューは最短で20(短大卒)。最長で22(大学卒)となります。因みに、小学校教師の平均年齢は44歳だそうです。以降の中学校から大学まで平均年齢は上がっているようです。これが何を意味するのかお分かりでしょうか?保育士は長く続けることが難しいという事です。

公立と私立・民間保育所の違い

保育所には、国や地方自治体が運営をしている公立保育所と、企業や個人が運営している私立・民間の保育所があります。公立保育所では比較的保育士の平均年齢が高く、私立・民間では平均年齢が低い傾向にあります。研修で出かけたり、小学校との合同連絡会に出かけたりして、他園の保育士を見るとその傾向は顕著に見受けられます。どうしてこのような事が起こるのか。

■雇用の方法

【公立】地方自治体の公務員試験にて合格者のみ正規採用

【私立・民間】独自の面接や筆記、実技などで合否を決める

初めの一年は臨時雇用などが多く存在し、それが正規雇用につながるかは

不明な点がある

・公立は数が少ないので狭き門です。比べて私立・民間は慢性的な人材不足です

■給与

【公立】公務員と同じ給与・賞与 昇給もある

【私立・民間】手取り15万円以下はざらにある

賞与は数万円でもあればいい方である

昇給があるのは超優良園。ほとんどない

■公休・有給取得

【公立】公務員に準ずるので、一定の有給取得が認められる

その分の保育士も確保しているので、休みが取りやすい

【私立・民間】慢性的な人材不足により、休みが取れない

一人当たりの仕事量が多いので、休むと大きな負担を掛ける

このような大きな溝があります。これを見ると、公立保育所の保育士になる事が出来れば辞めるのはもったいないと思いますよね?退職金などもきちんとありますし、昇給や昇進などもある程度補償されています。なので、公立保育所では平均年齢が上がる傾向になります。定年などで退職した保育士の人数のみ募集を掛ける感じですね。一方私立・民間は条件が悪いとすぐに辞める事ができます。残念ながら将来性も感じないのです。

しかし、公立にも弱点があり、私立・民間にも強みがあるのです。

公立の弱点

何といっても、一定の給与、昇給、賞与が予め決まっている事です。待遇が保障されている事で怠慢になってきてしまうケースが多くあります。また、平均年齢が高い事から伝統に縛られがちで、若い世代の考えやアイデアを呑まない事もしばしば。

私立・民間の強み

独自の色を出せるので、何かに特化した教育を提供できる。保護者のニーズに応えやすい。

若い世代が多いので活力があり新しい事にも挑戦する。自身の能力や実績が給与・待遇に反映されやすいので、保育に真剣に取り組む。

保育士不足は主に私立・民間の保育所で巻き起こっている問題です。公立保育所よりも圧倒的に私立・民間の保育所が多くあるからです。その圧倒的多数の保育者が待遇に悩み将来性を感じる事が出来すに諦めてしまうので、人材が育たない問題も起こってきています。

まとめ

●保育士の平均年齢は34.8歳 ※小学校教師は44歳、以降の学校教育者の平均年齢は上昇

●公立保育所は待遇が公務員と同じなので辞める理由がなく平均年齢も高め

●私立・民間保育所は平均年齢が低い

  • ・待遇に将来性を感じない
  • ・一人当たりの仕事量と給与のバランスが崩壊している

●公立の弱みもある

●私立・民間の待遇が良い園はやりがいもあり、スキルも高い