知らないと損をする、基本給の経験加算
- 2021.04.02
- 保育園について
経験加算をご存知でしょうか?経験加算は入職や転職の際に必ず理解しておきたい知識にも関わらず意外と知られていません。今回は経験加算とはどんなものか、また注意点なども含めてご紹介します。
経験加算とは
経験加算とは保育士としてのキャリアや経験のある人に対し、経験年数に応じて給料に反映させる仕組みのことです。例えば新卒の保育士と、経験10年の保育士ではできることや仕事の深さ、経験の量も違います。こういった場合に保育士の給料が同じになってしまわないように経験加算を用いて差別化を図ります。算出方法は様々ですが、基本的には勤続年数を重視することが多いです。
背景
経験加算の生まれた背景に、保育士の給料問題があります。
これまで保育士の給料は昇給制度が少ないなどの原因により、なかなか上がることがありませんでした。そしてそれによって「割に合わない」と感じてしまう人も多く、保育士が不足する事態となったのが現在です。
国は保育士の給料問題を改善するべく「保育士処遇改善等加算」という制度を導入。保育士に賃金改善やキャリアアップの取り組みを行った保育園に対して、保育士の給料を上げるための補助金制度を設けました。
経験加算の4つのパターン
経験加算で重要なポイントは、保育園の方針によって算出方法が異なる点です。国からもらった補助金の使い方は各保育園に委ねられており、場所によって変わるので注意が必要です。算出方法を把握することによって、就職や転職した際の給料の上がり方を知ることができます。
①経験年数を掛けて算出する方法
保育士の経験を年単位で区切って算出する方法です。例えば経験1年に対して2,000円が加算されるとしたら、
5年勤務の場合 5 × 2,000 = 10,000が加算
9年勤務の場合 9 × 2,000 = 18,000が加算
というような形になります。条件としては1番わかりやすい算出方法になります。
②経験年数を大まかに分けて算出する方法
こちらは経験年数を大まかな幅で区切って算出する方法です。
例えば、
3年以上は+6,000が加算
5年以上は+10,000が加算
8年以上は+16,000が加算
10年以上は+20,000が加算
のように、細かい年数ではなくある程度の枠を作って区切ります。
この算出方法はわかりやすさはあるものの、例えば9年目の人などのように区切りの間にいる人は自動的に下のランクに行って、損をしてしまう場合があります。
③面談や経歴を元に個別で決める
個別の面談や経歴確認をした上で算出する方法です。
これは園長や理事長が強い権限を持っている、社会福祉法人の保育園などでよく見られるケースになります。個別に面談をするので、人柄や印象、過去の経験などをうまく伝えることができれば経験加算が平均よりも上回る可能性があります。
④最初は経験加算がない
採用された最初は経験加算が用いられないケースです。
スタートは一律同じですが、そこからの実績や経験に応じて待遇面やボーナスで還元します。また年度の変わるタイミングで見直しをするという場合もありますが、最初から加算がないという点で他に比べると損をしているといえます。
経験加算の注意点
求人では知れない
求職者にとって重要な経験加算ですが、その有無に関しては求人情報では知ることができません。確認する方法は求人サイトを利用してコーディネーターやエージェントに確認してもらうことです。コーディネーターやエージェントは過去に転職を成功させた時の情報から、経験加算の算出方法を知っている可能性が高いです。
加算対象に注意
保育園によっては経験加算の対象を認可保育園のみに設定しているところもあります。この場合、認可外保育園や認証保育園でのキャリアは加算されないものとなってしまうので注意が必要です。
1番大切なのは手取り金額
給料はもちろん多ければ多いほど良いですが、そもそも自分の希望手取り金額は想定してますでしょうか?経験加算だけにとらわれず、手当やボーナスなどの待遇が充実していればトータルでの給与は満足する場合ももちろんあります。自分の希望の金額から逆算して、全体のバランスを見て決めるのが最終的には重要になります。