希少性を活かして活躍できる男性保育士

2021.04.02
保育園について
希少性を活かして活躍できる男性保育士

実は「保育士」という呼び名は、わりと最近呼ばれるようになったということをご存知でしょうか?そもそも以前は「保母さん」と呼ばれることが多く、女性が働くものとされていたためにこう呼ばれていました。1999年の男女雇用機会均等法の大幅な改正や、2003年の児童福祉法の改正などにより、近年男性の保育士はますます増加傾向にあります。今回は男性保育士を取り巻く現状と、男性保育士ならではのメリットについてご紹介いたします。

男性保育士の現状

男性保育士の人数

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、2010年の男性保育士が7,500人だったのに対し、2015年は11,670人、2017年は16,480人と年々増加していることがわかります。ただし保育士全体で見ると全体の4〜7%で推移しており、まだまだ決して多くはないといえます。

男性保育士の収入

2017年厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、男性保育士の年収は平均で3,462,900となっています。これは女性保育士の平均年収3,221,300よりもやや高いとはいえ、待遇の面ではまだまだ優れているとは言いにくいでしょう。ただし工夫をして自分なりのキャリアを築いていくことはできるので、そのことについては後述いたします。

男性保育士ならではの問題

2017年、千葉市長が男性保育士活躍推進プランを発表したところ、「男性保育士に女児の着替えやオムツ交換をさせないで欲しい」という保護者の声が上がりました。これはツイッター上で千葉市長と保護者が意見を交わすような大きな議論へと発展。実際に国内でも男性保育士による性犯罪事件があったこともあり、どちらが正しいとも言い切れない賛否の分かれる話題となりました。真面目に働いている男性保育士がほとんどですが、こういった意見をもつ保護者も中にはいるということを受け止めなければなりません。

男性保育士ならではのメリット

男性保育士はまだまだ少ないですが、その希少性を活かして活躍することができます。

女性が苦手な仕事をサポート

男性ならではの仕事として、力を活かした仕事が挙げられます!重たいものを運ぶときや、機械などの技術系の作業、手先が汚れる仕事などはどちらかといえば男性の得意とする仕事でしょう。男性が1人いるだけでそういった仕事の効率が大幅に上がります。

抑止力になる

防犯の観点も見逃せません。不審者がもし侵入した時に女性保育士だけでは不安なこともあるでしょう。男性保育士が1人いるだけで抑止力となり、セキュリティの面でも安心といえます。

遊びで子どもたちに大人気!

体力を持つ男性は全力で走り回る子どもたちにも対応できる力強さがあります!4〜5歳くらいになってくると子どもたちもどんどん機敏になってきて、全力の動きについていけなくなる保育士もなかにはいます。ですがそんな時に男性保育士がいたらとても心強いです。

遊びを本気でしてくれる先生として、子どもたちにとってなくてはならない人気の存在となるでしょう。男性保育士としても特に自分の存在価値ややりがいを感じる場面といえます!

保育士同士や保護者とのコミュニケーションに幅が出る。

女性だけの職場というのは、時として女性ならではの人間関係トラブルに発展してしまう場合があります。ですが、そんな時も男性が1人いるだけでコミュニケーションが円滑になる場合があります。男性の傾聴力や、良い意味での鈍感力はクッションの様な役割で職場の雰囲気を和ませてくれます。

また、男児を預ける保護者や、保護者が男性である場合などは良きアドバイザーとして話をすることもできます。男性から見た目線を話せることで、漠然とした悩みがスッキリする保護者もいるでしょう。

将来性やキャリアについて

プラスアルファのスキルを身につけるのがお薦め

保育士としてその他の役に立つスキルを身につけることで、手当をプラスしてもらえる可能性がグッと上がります。バスの運転などの他に、幼児体育指導者やジュニアスポーツ指導員などの民間資格も狙い目といえます。

管理職を目指す

管理職としてのスキルはどこに行っても必要とされるスキルなので、身につけておくと採用でとても有利になります。リーダーシップを発揮することで副主任や主任、園長といったポジションも目指せます。管理職のスキルは意識している人としていない人で大きく差が開いてしまうので、いちプレーヤーで終わらないという気持ちを最初から持っていることが大切です。

公立保育園を目指す

難易度は高いですが公立保育園を狙って、公務員になるというのも待遇アップとしてはお薦めです。特に財政基盤がしっかりとしているので破綻する心配などもありません。自身の結婚や安定などを真剣に考えたときには選択肢として良いといえます。

専門性を活かして講師や発信者として活躍する

意外に忘れてしまいがちですが、男性保育士は国家資格を持ったとしても専門性の高い仕事を普段行っています。その希少価値を活かして体育やリトミック、読み聞かせなど、自分が得意とするジャンルで講師の道を目指すというのも新たな選択肢としてあります。

最近では「てぃ先生」のように男性保育士ならではの情報発信をするインフルエンサーのような方たちも出てきました。男性保育士の現状がまだまだ理解されていない現在、男性保育士ならではの情報発信はそれだけでも価値は高いと言えるでしょう。