認可外保育園って保育の質はどうなの!?
- 2021.04.02
- 保育園について
国が定めた設置基準を満たしている【認可保育園】に対して、基準を満たしていない保育園を【認可外保育園】といいます。認可外と聞くと、「保育料が高い・保育の質が悪い」など悪いイメージが先行しがちですが、実際のところはどうなのでしょう?認可と認可外、それぞれの違いをご説明します。
それぞれの定義は以下のようになります。
認可外保育園
児童福祉法の保育所に該当するが、国が定めた設置基準を満たしていない事から認可を受けていない保育施設。
例》ベビーホテル・駅前保育所・事業所内保育所・病院内保育所
認可保育園
国の定めた設置基準を満たしている保育所。
例》市町村の公立保育園や基準を満たした私立保育園
国の定めた設置基準とは、施設の広さ・保育士の人数・給食設備・防災管理・衛生管理などです。これを満たしていないと認可は受けられない事になっています。
そんな認可外保育園と認可保育園では、具体的にどのような違いがあるのか見ていきましょう。
入園の条件は?
認可保育園では、保護者が家庭で十分な保育ができない場合に入園が認められます。十分な保育ができない状況というのは、就労・疾病・求職・妊娠・出産などです。そのような理由から子どもを家で見ることが出来ませんので、私の代わりに見てください。という施設になります。
逆に言えば、きちんとした理由がないと入園は認められないという事になってしまいますね。
ほとんどの場合が、市町村の役場を通して希望を伝え、園の状況を調べて、役所が入園する施設を決定するようになります。
一方、認可外保育園は基本的にオールオッケーという事になります。働いていなくても、病気でなくても受け入れてもらえることになります。但し、料金設定はその園によりますので認可保育園に比べて保育料は高くなっている傾向があります。
どうしてそのような事が起こるのか?
お金事情
認可保育園では、国の認可を受けたというだけあって、補助金がもらえます。その補助金は運営費として活用できるので、職員の人件費に充てる事が出来ます。それだけで経営は楽になりますので、保育料は自治体の金額と同じ値段で運営できるわけです。
一方、認可外保育園は補助金がありません。という事は光熱費や人件費、教材費などなど園の経営に必要なお金は全て保育料から賄っていかなければなりません。だから保育料が認可保育園に比べて高くなるのです。
では、認可外保育園の給与はどうなっているのか?それは、かなり園によります。上記にあるように保育料で運営費を賄っているという事は園児数が多ければ経営は潤うという事です。認可外なのに園児数が多いなんてあるの?と思われるかもしれませんが、認可外保育園の強みは国の制約を受けないことにあります。
これは好ましくない。これは改善して。という指導が自治体からなされませんので、特色をふんだんに盛り込んだカリキュラムを作り上げる事ができます。そのカリキュラムが保護者や子どものニーズにマッチしたものであれば、当然、『高い金額でも質の高い教育を受けさせたい』という親の思いの基、入園希望が増えます。
そうして認可外で成功している園もたくさんあります。
成功している園では、公立保育園(県・市町村)の保育士と遜色ない給与が支払われている場合もあります。ボーナスは3か月!などもありますよ。
ただし、全体を見ての傾向としては、認可外保育園は認可保育園に比べて給与が低い傾向にあります。
保育士の質
最後に、保育士の質について。今までお伝えした内容から、認可外保育園はその園によって大きく違う事がお分かりいただけたかと思います。認可保育園の保育士には研修が義務づけられており、案内なども自治体から送られてきますし、情報が取りやすい環境にあります。
認可外保育園は研修の必要もありませんので、独自のスキルをその施設で研鑚していく事になりますし、情報も自分から取りに行くことになります。という事は逆も然り。やらなくていい人はとことんやらない。教育は必要ない、ただ預かればいい。という考えに至り、その閉鎖的な環境から保育の質を落としてしまうケースが多くあります。
但し、『うちの園はこれが魅力です!』と方針を掲げ、独自の研鑚を進めていく園もありますので、そういった園は保育の質が高くなります。
まとめ
- ・認可外保育園は保育の質や給与の振り幅が大きい
- ・デメリットだけでなく、制約を受けないからこそできる突出したオリジナリティを発揮して成功している園もある
- ・働きやすさや待遇も施設によって大きく変わるので、働く前に条件や待遇をしっかり確認しておくことが必要