保育士の負担を強力にサポート、保育園のICT化とは?

2021.03.26
保育園について
保育士の負担を強力にサポート、保育園のICT化とは?

保育士の働く環境の整備が進んでいます。雇用形態の多様化は良く知られていますが、実はそれだけではありません。今回は保育士の業務を大幅に改善する注目の対策、保育園のICT化についてご紹介します。

ICT化とは

ICTとは「Information and Communication Technology」の略で、情報伝達技術のことを指します。ITという言葉のほうが馴染みがあると思いますが、ITによる情報の効率化に加えて、伝達やコミュニケーション機能を追加したものになります。

実際にどのように行うかというと、パソコンやタブレットを使用して様々な業務を一括管理するようなイメージになります。

ICT化の背景

ICT化の背景には保育士の深刻なオーバーワークが挙げられます。

保育士は通常の保育以外にも事務作業や連絡帳の記入、行事の準備など、付帯業務の仕事量が多いという問題を抱えています。保育園の中には、連絡帳は絶対に手書きじゃないといけない!というような慣習を持っているところも多くあります。そのため保育士の負担が大きく、近年の保育士不足や待機児童問題の大きな要因になっていると考えられます。

政府もICT化に力を入れており、導入に際しては国や自治体から補助金が出るようになっています。例えば東京都の場合ですと200万円を上限として支給をしているので、導入にかかるコストや不安を積極的になくそうという動きが見られます。

ICT化による効果

時間の大幅削減

システムの導入により園児の管理、保護者の管理、職員の管理、これらすべてを一括でまとめることができるため、大幅な時間削減が可能になります。園によっては年間で70時間も減らせたという事例もあります。

情報共有が容易

オンライン上で情報共有を行えるため、口頭で伝えるよりも正確性が増し、さらに空いた時間を使ってそれぞれが確認できるようになります。今までは伝える側と受け取る側、両者が手すきにならないとできなかった伝達業務。これがICT化により片方が手すきであればその時間を使って共有と伝達をすることができます。

保育の質の向上

今まで負担になっていた管理業務を削減することにより、本来の目的である保育の内容や質の向上に時間を使うことができるようになります。保育士にとっても精神的な余裕が持てるので、子どもたちにより良いパフォーマンスを発揮することができます。

保護者としても便利

ICT化による恩恵は保護者側にもあります。朝の忙しい時間帯に電話をかける手間が省けたり、保育園からの連絡事項の確認、毎日の連絡帳の記入をスキマ時間を使って行うことができます。

ICT化の主な内容

登降園管理

保育料の算出や出欠席の確認作業が容易になります。

保育料の算出は延長時間などもあり、園児によって計算が変わるため非常に手間のかかる作業です。1人ずつ計算して、照らし合わせをしてと、かなり神経のすり減る業務だったものが、ICT化によりなくなります。

また出欠席に関してもオンライン上で一括管理されるので、朝の電話対応に追われる時間を子どもたちを迎える準備に活用できるようになります。

園児の情報共有

園児に関する職員同士の情報共有、職員と保護者の情報共有が容易になります。

園児の健康状態もデジタルで反映されるため、わざわざ転記する必要がなくなります。

感染症チェックや、発達記録、健康状態、献立管理など細かくデータ入力をできるため伝達漏れを防ぎつつ、空いた時間を使って共有ができます。また行事やイベントなどのお知らせに関してもメールを一斉送信するだけでいいので、コピーして紙を配るといった手間も大幅に削減することができます。

職員同士では保育の指導案を考える際にも有効です。ICT化が進めば以前のデータや記録を探し出して比較することも容易です。過去の事例を参考にしつつ、より良い指導案を作ることができます。

写真管理

大切な思い出となる写真も、実は保育士にとっては大きな業務負担になっています。

写真を掲載して保護者から注文を受け、注文を回収してまとめた後に写真会社へ発注。届いた写真を各家庭に分けて個別に渡す。今まではこのプロセスを踏まないといけなかった業務が、ICT化をすると保護者がオンライン上でダウンロードをするだけで完了となります。

まとめ

保育士は園児のために常に全力です。全力がゆえに業務負担が大きくても、ついつい無理をしてしまうこともあるでしょう。そんな保育士を強力にサポートしてくれるのが保育のICT化です。慣れるまでには時間がかかるでしょうが、時間を有効活用したい、または保育の質をより良くしたいという方にはICT化の導入をした保育園をお薦めします。