保育教諭って何?保育士じゃないの?

2020.03.26
保育園について
保育教諭って何?保育士じゃないの?

皆さんは保育園で働く人は保育士という事はご存知であると思います。数年前から、『保育教諭』という言葉が出始めました。教諭なの?保育士なの?と困惑しますよね。 人によっては、保育士を保育教諭って言ったりするよ。と間違えた見解を述べる人も幼児教育者にいますので、ご注意ください。 そんな保育士にならないように一緒に勉強していきましょう。

教諭って学校の先生でしょ?

教諭と聞くと小学校以上の教壇に立つ人をイメージしますが、幼児教育でも『教諭』はいます。それは【幼稚園で働く先生】です。幼稚園教諭と言います。幼稚園の管轄は文部科学省です。位置づけとして、幼稚園は《学校》と同じ括りになります。ですので、教諭という名前が付きます。

幼稚園教諭として働くために必要な資格・免許は

  • ・幼稚園教諭二種免許→専門学校や短期大学で取得可能
  • ・幼稚園教諭一種免許→4年制大学で取得可能
  • ・幼稚園教諭専修免許→大学院修士課程を修了することで取得可能

以上の3つになります。

全て幼稚園で働くことが出来ますが、給与や就ける役職が変わります。

更に、幼稚園教諭免許は平成21年から更新が必要になり、更新を受けなければ免許の効力が失効されます。更新については以下のようになります。

  • ・免許には10年の有効期間がある。
  • ・取得から10年後は更新する必要がある
  • ・有効期間を更新して免許の有効性を維持するには、指定された大学にて2年間で30時間以上の更新講習の受講・修了が必要

新しく幼稚園教諭の免許を取得した人も過去に取得した人もこの免許には更新が必要になりました。

保育士はどんな存在なの?

では、保育士資格はどうでしょう?まず、家庭の支援を目的にしている保育園では、子どもの健康と生命の保持を大切に保育する保育士と言われます。この資格に更新の必要はなく、永久資格として持つ事が出来ます。位置づけは《学校》ではなく、病院などと一緒の福祉施設です。

以上から分かるように、同じ幼児が生活を営む施設でも、幼稚園と保育園ではコンセプトが全く違うのです。そして、その内容も大きく変わり、教育に重点を置いた幼稚園と、生活を営む事に重点を置いた保育園では子どもの質にも差がありました。

しかし、親の収入や就労が原因で受けさせたい教育を選ぶことが難しい現状があったのです。それではいけない。【どの子にも等しく教育を受ける権利が必要】という事で、幼稚園・保育園の性質を持った第3の幼児教育施設、【認定子ども園】が設置されるようになったのです。

認定子ども園って何?

4種あります。

幼保連携型

幼稚園と保育園、両方の機能を兼ね備えた単一の施設

幼稚園型

認可幼稚園が保育を必要とする子どもの保育時間を確保した、幼稚園の色が強い施設

保育所型

認可保育園が、保育を必要とする子ども以外を受け入れるなど、幼稚園の機能を少し足した保育所の色が強い施設

地域裁量型

幼稚園・保育園でいずれの認可も受けてない私立の施設が国の定めた設置基準やカリキュラムをクリアし、認定を受けた施設

要は、元々幼稚園であった施設が、預かり保育などの時間を延ばした施設。元々保育園であった施設が親の就労状況や疾病などにかかわらず預けることが出来る枠を設けた施設。と考えて頂ければわかりやすいかと思います。

そしてこの、幼保連携型の認定子ども園で働く職員こそが保育教諭と呼ばれるのです。そして、幼保連携型認定こども園で働く為には、保育士資格と幼稚園教諭、両方の資格が必要となるのです。

学校を卒業されたばかりの人は両方の資格を持っていれば問題ないでしょうが、どちらかの資格しか取得していない、又は中堅~ベテランの保育士は幼稚園教諭の資格を持っていても、すでに失効されている場合がありますよね。

幼保連携型認定子ども園で働きたいけど資格が…と思っている方、ご安心下さい。資格取得の特例制度があります。

  • ・どちらかの免許だけで保育教諭として働ける「経過措置」期間がある
  • ・その期間のうちに、持っていないほうの資格を短期間・少ない履修科目で取得できる

保育士不足が叫ばれる昨今では、幼児教育者は貴重な存在です。バックアップ体制は国を挙げて整ってきています。

まとめ

  • ・保育教諭とは幼保連携型認定こども園で働く職員である
  • ・保育教諭として働くには、保育士資格と幼稚園教諭資格が必要である
  • ・幼保連携型認定こども園で働く為に、持っていない資格を短期間で取得できる制度がある

施設の特色はあれども、子どもの健康と成長を願う事は幼児教育者にとって共通の願いであると思います。その垣根を超えて日本全体が子どもへの関心を向けてくれることを心から願って締めくくりたいと思います。