保育士の業務~事務作業が多い件~

2021.03.26
保育園について
保育士の業務~事務作業が多い件~

皆さんのお仕事には事務作業はどれぐらいありますか?多くの場合は現場で働く方と事務作業をする方で分業をしているのではないでしょうか?一方、保育士はここ数年でかなり事務作業が増えました。これにより、退職を考えたり、家庭に仕事を持ち帰って家事の時間が取れないなど多くの弊害が出ています。今回はそんな事務作業についてお伝えしていきたいと思います。

保育士の事務作業

筆者の経験から今まで行ってきた事務作業を羅列してみます。

・月案作成  ・週案作成※  ・日案作成※  ・食育計画作成※

・個別指導記録※  ・アクシデントレポート  ・保育日誌※  ・検食簿※

・クラス便り ・通園バス添乗記録※  ・連絡帳※  ・研修レポート

・研究計画書 ・発表会や運動会の役割、配置図  ・購入した備品の領収まとめ

・保育、教育要録 ・集金物の集計

米印は毎日記入が必要なものになります。園によって独自の書類があるところもありますが、多くの場合がこれらになります。

これだけをしに園へ行くのであればなんてことはない内容ですが、保育士は仕事の多くの時間を子どもと関わる時間に割きます。その合間にこれらの作業をしていかなければならない大変さをお分かりいただけますでしょうか?時間が足りずに家へ持ち帰ったり残業したりしなければならない状況になってしまいます。

事務作業の中でも重要な指導案

この事務作業は絶対に外せない業務です。指導案とは

  • ・保育・教育課程
  • ・年案
  • ・月案
  • ・週案
  • ・日案
  • ・個別指導計画

などがあり、どういった経験の基、どういった子ども像を描いて保育を提供していくのかという私たち保育士の専門性を証明するものでもあり、自身の保育を振り返りながら改善していく書類です。しかし、この事務作業は過去の指導案を見返したり、前年の資料などと照らし合わせながら作成していくので時間がかかります。保育士の事務作業を圧迫している原因の一つではありますが、これをなくしてしまうとその場しのぎの保育になってしまい、非常に専門性の低い保育提供になってしまいます。これを軽減させるためにパソコンでの打ち込みや最新ではAIを駆使するなどして工夫をしている園もありますがそれはまだ一部で、手書きの指導案を伝統的に行っている園が多数です。

午睡の時間を活用するが…

乳児~4歳児クラスまでは、午睡をしている保育所がほとんどではないでしょうか。この午睡の時間こそ事務作業を進める時間になります。多くの時間を連絡帳に割きますが、それを済ませると指導案の作成にかかります。

具体的な例《私の場合》

午睡始まり 12:3013:00 午睡終わり15:00  この間、2時間から2時間半が事務作業

始めの40分程度で連絡帳(20人分)

次の20分で指導案作成

残りの時間で集金物の集計や備品購入した領収書を専用用紙に記載・提出するなどします。

また、保育室の清掃や壁面製作、季節の製作準備、お便り作成なども同時に行っています。

子どもが途中で起きた場合は対応しますし、おねしょの処理なども行います。あっという間に午睡の時間が終わり、午後のおやつの準備から預かり保育に移行します。

この限られた時間で決められた事務作業を終わらせることは非常に難しいので、持ち帰りは当たり前ですし、休憩など取れるはずがありません。

まとめ

子どもと関わる事に集中したい事はヤマヤマですが、それだけでは保育士の業務は務まりません。事務作業以外にも園舎、保育室の管理や修繕、ピアノの練習、保護者への電話連絡や対応、行事の出し物の練習など多岐に渡る業務があります。これらを一人で受け持ちながら奮闘し、笑顔を絶やさない保育士さんも多数いらっしゃいます。そういった笑顔をこれからも守るために事務作業の軽減は現場の急務となっています。様々な改善を試みている園はありますが慢性的な保育士不足により、一人当たりの業務を減らす事が難しいのです。

そういった中で子どものために頑張る保育士さんを心から尊敬、応援していますし、それに見合う報酬や給与になれば頑張り甲斐があるのではないでしょうか。