労働格差も改善の兆し、準職員という働き方。

2021.03.26
保育園について
労働格差も改善の兆し、準職員という働き方。

保育士といっても働き方は様々です。正規職員、非正規職員(準職員)、派遣職員、アルバイトなど多岐にわたります。今回は非正規職員である「準職員」について、現状やメリットなどをご紹介します。

準職員の現状

準職員は増加傾向

全国保育協議会による2017年度の調査によると、雇用形態が非正規である保育士、保育教諭、及び保育補助者を配置している施設は全体の91.6%でした。これは前回調査の85.9%を上回る結果となり、準職員は増加傾向にあるといえます。

また園内の正規職員と非正規職員の割合は、公立と私立で若干は異なりますがおおむね半々くらいの比率が多いことがわかりました。このことからも準職員が園にとって重要な戦力となっていることがわかります。

増加の要因

増加の要因として挙げられるのが近年の保育サービスの多様化です。共働きの家庭が増えたことにより、早朝保育や夜間保育のニーズが高まり、短時間でも働ける保育士が必要になったことが大きく影響しています。

また保育士の残業や長時間労働などの問題もあり、人員にゆとりを持たせる意味でも非正規職員の存在が不可欠となっています。

準職員になるメリット

ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける

準職員は正規職員に比べて時間の融通が効きやすいのが特徴です。子育てから徐々に復帰したい人や、家庭の都合などで働ける時間に制限がある人にとっては調整が効きやすく働きやすい雇用形態といえます。

給与に関しては正規職員よりも少し低いものの、社会保険や福利厚生はフルタイム勤務でしたら同等の場所がほとんどです。

希望する保育園に比較的入りやすい

正規職員に比べると、準職員は採用基準のハードルが低いため希望の園に入社しやすいというメリットがあります。まずは入ってみてどのような職場かしっかり見極めたい、という方には準職員としての働き方がオススメです。事前の確認が必要ですが、さらにそこから正規職員になれる可能性も充分にあります。

保育の楽しみを実感しやすい

正規職員に比べると書類作成などの業務が少ないので、保育本来の楽しみを感じられることが多いです。子どもと遊びながら接する機会が多いので、書類作成や残業よりも子どもたちに向かう時間を増やしたい方にはオススメです。

準職員の注意点

業務負担が多いケースがある

保育園によっては行事やイベントのリーダーといった、責任の重い仕事を任されるケースがあります。仕事量は正規職員と同じにも関わらず、待遇面は違うとなってしまうと不満や不公平感を感じてしまいます。そうならないためにも事前にしっかり職務範囲を確認することが大切です。

情報共有が薄くなる

準職員は働く時間の関係で、情報の共有が希薄になる場合があります。保護者や園児からしたら正規職員も準職員も同じ保育士です。情報共有がされていないと対応できなくなってしまうケースもありますので、自らも報連相には意識的に注意しましょう。

安定的ではない

正規職員に比べるとやはり安定していないという面があります。特に準職員の場合は雇用する上で契約の更新が必要になります。人によっては毎回契約更新時は不安になるという方も

いるでしょう。今後自分がどうしていくのが良いか、ある程度先も見据えて行動することが大切になっていきます。

格差を改善する、同一労働同一賃金とは

大企業では2020年4月より、中小企業では2021年4月より「同一労働同一賃金」が施行されます。これは正規職員と非正規職員の雇用形態による待遇差をなくすために作られたものです。

同じ働きをしている労働者には雇用形態に関係なく同じ賃金を支給する取り組みで、企業内での格差をなくすことで、より働き方を自由に選択できるようになります。準職員にとっては追い風となって、より働きやすい環境が整ってきたといえます。

まとめ

保育サービスの多様化により、準職員の存在はますます重要になります。同一労働同一賃金などの後押しで今後働く環境面もより良くなっていくでしょう。自分の価値観やライフスタイルに合わせて、柔軟に働き方を選択したい人には特にオススメです。