日々の保育を円滑に進めるために

2021.03.15
お役立ち情報
日々の保育を円滑に進めるために

保育士の仕事といえば、子ども達の世話をすることだと思われるでしょうが、それだけではありません。 子ども達の成長のため、保育士が日常の保育以外にどんな業務をしているかご紹介します。

日々の保育を円滑に進めるために保育士が事前準備している事

保育士の業務は多岐に渡ります。事務作業も、製作作業も、体力仕事もこなさなければなりません。しかし業務に追われているとはいえ、その場の思い付きで子どもの心身を育んでいけるはずがありません。専門職として、子どもの発達や特性を理解して、育ち合い・学び合いを発掘していく内容にするために様々な方法を用いています。今回はその一部をお伝えしていきます。

 

■指導案

   

事前準備と言えば大きな役割を占めるものが指導案です。指導案には年間指導計画(年案)・月案・週案・日案・個別指導計画などがあり、いずれも保育の方向や関わり方の計画として作成するものです。熟練者になると子どもの姿と指導案の誤差がほとんどなくなり、より完成に近づいた計画を立てる事が出来ます。

また、指導案を基に保育を行ったが、こういったところに不備があった、こうすればもっと子どもは楽しめたなどの考察も記入していく事で明日の保育につなげていく事が出来ます。

 

■製作の準備

年齢にもよりますが、製作をする際には環境をどこまで作っていくのかで子どもの成長を促すねらいが変わってきます。

例えば、絵具を使った製作をするとします。1歳児であれば保育士が全て準備したうえで、子どもが手指を使って自由にペタペタと色を付ける。5歳児になると、必要なものを自分で準備するだけでなく、色も子どもたちが決めたり作ったりするのです。

そのために必要な準備は、色合わせ表など、子どもが調べて試したくなる環境を作るのです。時期やクラスの発達状況によっても変わるので、子ども理解を深める事が重要です。

 

■行事の準備

これも保育士の大きな業務の一つです。保育園で行事がない園はほとんどありません。運動会や発表会、遠足など大きな行事もあれば、クッキングや野菜の収穫など細かな行事もあります。年間を通して非常に多忙な日々を過ごしていくわけです。

あらかじめ年間の予定として様々な事を同時進行で準備しておかないと、いざ行事になって「あれが足りない。これを忘れた」などという惨事に子どもが巻き込まれる事になるので、行事の準備も大切です。一人で色々と抱える事はしてはいけません。園全体の行事であればきちんと役割分担やチームを作って複数人で進めていきましょう。

 

 

年度が始まる前に保育はすでに始まっている

以上の事から分かるように、保育は準備と計画が非常に大切です。年間の計画を立てるのは年度が始まる前です。年度末で様々な締めをしている時にすでに次のクラスの準備が始まります。そう考えると本当に息をつく暇がない仕事ですね。

 

■保育を充実させるために

中間管理職になってからというもの、口を酸っぱくして後輩保育士に伝えている事があります。それは「保育士自身のプライベートが充実していなければ充実した保育は出来ない」です。保育士不足に陥っている現状に反比例して幼児教育の重要性が取り上げられている今、社会は保育士に対して、求めるものが大きくなっています。子どもだけでなく保護者対応にも神経を使い、心身ともに疲れ果て、辞職をするパターンが多くなっています。ですので、心も体も健康である事が非常に大切になるのです。

出来る限り平日にも休みを取れるように調整し、好きなことに没頭できる時間を確保したり、通院や整体なども気兼ねなく通えたりする事が大切ではないかと思うのです。そうする事で活気や活力につながり充実した保育を提供できるのだと思います。福祉は奉仕と言われますが、福祉者が倒れてしまっては元も子もありません。

 

まとめ

保育士の準備は計画から!

・指導案、活動、行事の計画を立てて同時進行で準備をしていく

・一人で抱え込まないようにチームで動こう

計画と子どもの実際の姿を出来るだけ近づける!

・考察、反省を基に計画を練り直す事も必要

・日々の子ども理解が計画の具体性につながる

プライベートを充実させる!

・充実した保育は充実した休息から

・子どもを大切にしたいのなら自分も大切にしよう