けんかした時の仲裁について
- 2021.03.31
- お役立ち情報
「けがをしたら…」とヒヤッとするケンカの瞬間ですが、そこはぐっと我慢!大事なのはケンカをいかにうまく収めるかではなく、【ケンカの後】です!
園児同士がけんかをしてしまった時って、つい焦ってしまいますよね。でもけんかをする中で、園児たちは「人との関わり方」を学んでいます。今回は園児たちの成長につながるようなけんかの仲裁方法をご紹介します。
けんかをすることの意味
けんかは一概に悪いものとは言えません。
子どもたちはけんかを通して、人間関係の築き方や、怒り・悲しみ・くやしさ・罪悪感といったいろいろな感情を体験していきます。けんかを解決することで、子どもたちは自分の気持ちを言葉で伝えることや、自分以外の人の気持ちに気づくこと、さらには嫌なことを投げ出さずに解決する力を身につけることができのです。
そのため、けんかはマイナスなことばかりではなく、その子にとっては成長のチャンスとも言えるでしょう。けんかがもし起こっても慌てずに、「成長の機会がやってきた」と構えているくらいが頼もしいですね。
基本は見守る
もしけんかが起こっても、大人がけんかを解決するのではなく、子ども同士で解決できるようなサポートを意識しましょう。手を出したくなるのはやまやまですが、子どもたちの自力を信じて、まずは様子を見守ることが大切です。
必要以上に干渉をしすぎてしまうと、今度は園児たちが「先生に言えば相手が叱られる」というような誤った認識をしてしまうことがあります。止めたい気持ちが出てしまいますが、まずはみんなでキチンと解決ができるのか見守ってあげましょう。
介入しないと行けない時
見守るのが基本だとお伝えしましたが、以下のようなけんかが起こった時は介入が必要です。
・ケガをしてしまった時
・激しく取っ組み合いや殴り合いをしていた時
・どちらかの子どもが助けを必要としている時
・どちらかに一方的な展開になってしまっている時
・1人対複数のような状態になってしまっている時
・罵倒の言葉が過ぎる場合
こういった場合は即座に止めなければなりません。
保育士にとって1番大切なことは子どもの安全です。見守ったほうが良いのか、介入した方が良いのか、よく見極めることが必要になります。
平等に意見を聞く
けんかの仲裁方法として、どちらか一方を悪者にしてしまうのは危険です。
年齢によって変わりますが、園児たちはまだ自分の気持ちをうまく話すことができず、感情を表現できない場合があります。例えば友達が持っているおもちゃで自分も遊びたい、といった時に、自分の気持ちをうまく表現できずに大声を出したり、無理やり取ったりしてしまうこともあるでしょう。こういった場合に、先生が気持ちに共感を示さずに解決の方向に持っていってしまうと、「感情を表現することはいけないことなんだ」と誤って認知してしまうかもしれません。
園児たちの気持ちを察して、必ず両方の味方になってあげましょう。
素直に謝れるように誘導してあげる
けんかしてしまった時の自分の気持ちを大人がしっかり聞いてくれれば、子どもたちは安心します。そしてその段階になって、ようやく自分がしてしまったことを反省することができます。
「◯◯ちゃん痛かったって」
「◆◆されて残念だったみたい」
「仲直りするにはどうすればいいかな?」
このようにさりげなく声をかけながら、子どもたちが自ら謝れるように促していきましょう。大切なことはあくまでも自然にその流れを作ることであり、強制的にやらせてしまっては意味がありません。子どもたちが自分たちで解決できたというのは、達成感や自信にも繋がっていきます。
まとめ
けんかをした時の仲裁についてご紹介しました。
保育士にとって、けんかを「見守る」力はとても重要です。けんかは子どもたちにとって成長のチャンスとなりますので、ぜひ適切な対応を取って、子どもたちをうまく案内してみてください。