夏の保育の注意点
- 2021.03.30
- お役立ち情報
夏は全てが活発になる季節。 楽しいイベントもたくさんあり、園児たちも元気よく遊びまわります。 しかし暑い夏ならではの、注意しなければならないこともたくさんあります...。
今回の記事では、園児たちが安全に楽しい夏を送れるよう、保育士が注意しておきたいポイントをご紹介します!
プールなどの水遊び
暑い夏にぴったりの水遊びですが、管理する側は特に注意が必要です。
まず子供は10~20センチ程度の浅い水深でも、うつぶせで転んで窒息する恐れがあります。
特に注意したいのが「本能的溺水反応」です。
ドラマやマンガの影響で、溺れるというと暴れて叫ぶイメージがありますが、実際の溺水は何が起きたかわからないまま静かに沈んで溺れてしまうものです。過去にはこれが原因で、悲しい事故も起きています。
重要な役割がプールの監視です。
国のガイドラインで定められているように、水泳指導や写真撮影、片付けなどもせず、監視に集中することを心がけましょう。規則的に監視をしつつ、こまめな人数確認を怠らないようにしましょう。
他にもビニールプールは滑り止めを付ける、体力の消耗が激しいので適度な時間で切り上げるなど、危険を感じる部分は細かくチェックしておきましょう。
水遊びは保育士だけでなく、保護者や園児の協力も必要です。毎日の検診や体調管理を保護者へ、走らないことや飛び込まないことなど、水遊びのルールを園児たちへ周知することも忘れずにしましょう。
熱中症・脱水症状
遊びに夢中の園児たちは、夏の暑さなどおかまいなしです。そのため気が付かないうちに体温が上昇し、熱中症になってしまうケースが多くなります。
外で遊ぶ時は帽子をかぶらせたり、こまめに涼しい場所で休憩させたりしましょう。
さらに水分補給も忘れてはいけません。子供は大人に比べて温度変化の影響を受けやすいので、暑くなると汗をかきやすく、脱水症状になる可能性が高くなります。
飲む時間も惜しんで遊ぶ子供もいますので、定期的にあげましょう。
どちらのケースも、園児の普段と違う部分を見落とさないようにすることが大切です。
食欲がない、泣いても涙が出ない、熱があるのに汗が出ないなど、これらの反応があった時は要注意です。もし症状が出た場合は、涼しい場所で足を高くし、首、脇下等を冷やして水分補給をしましょう。意識を喪失した場合は、これに加えて一刻も早く病院へ連絡をしなければなりません。
虫対策
夏といえば虫も活発になります。
特にスズメバチなどの、毒をもったハチは非常に危険です。
ハチの巣にいたずらしないよう注意喚起するとともに、もしハチの巣があれば、その場所を把握して、できるだけ早く駆除を要請しましょう。
また同時に蚊も危険です。
蚊はアレルギーの媒体になっていることもあり、かいてしまった箇所が傷になって、ウイルスが侵入するケースなどあります。感染症のリスクがあるので、蚊に刺された時は患部を水でしっかり洗い、殺菌消毒するようにしましょう。
手指をしっかりと洗うことは、とびひ(伝染性膿痂疹)の予防にも効果的です。
皮膚対策
たくさん汗をかく季節なので、それが原因で肌がかぶれてしまうケースがあります。
あせもなどで起こる皮膚トラブルもあるので、汗をかいた後はふき取るなどして清潔を保ちましょう。またアトピー性皮膚炎など、夏はかゆみがひどくなりがちです。
薬の塗布などをどうするかについては事前に保護者ともよく話し合いましょう。
夏風邪・低体温症
夏風邪は屋外と屋内の温度差によって免疫が低下したタイミングで、風邪のウイルスに感染することで起こります。
代表的なものに、手足口病やプール熱などがありますが、うがい、手洗いの徹底で予防ができます。プール熱に関してはタオルの共有や、目からのウイルス感染もあるので、タオルの共有を避け、目を洗う等の予防策をとりましょう!
低体温症にも気をつけなければなりません。夏なのに低体温症になるのか?と驚かれる方もいると思いますが、実は夏のきつい冷房などによって引き起こされてしまう可能性があるのです。
扇風機の風に直接あたったり、汗を拭かずに放置することで生じやすいため、汗をきちんと拭く、空調設備の風を直接当てないよう注意しましょう。
遊具による火傷
意外と見落としがちなのが、遊具によるヤケドです。
うんていやジャングルジムなど、鉄製の遊具は太陽の日差しで実はかなり高温になっています。長く触っていると火傷してしまう子供もいるので、実際の熱さを確認するようにしましょう。
他にも地面を裸足で歩かせないなどこまかなところにも目配りを忘れないようにしましょう。
夏は子ども達にとって楽しみいっぱいの時期であると共に、様々な危険が潜んでいる時期でもあります。今回紹介した注意点を踏まえたうえで、園児から先生まで皆にとって思い出いっぱいの夏にしてくださいね!