保育士が知っておきたい「アンガーマネジメント」
- 2021.03.30
- お役立ち情報
「言うことを聞かない園児についカッとなって、怒ってしまった」 保育士をしていると、こういったことってありますよね。それだけでなく同僚や保護者など、人と関わることが多いのでどうしてもイライラしてしまう時も。 しかし、一時的な感情で怒ってしまうと自分の心に後悔を残してしまいます。
今回は怒りと上手に向き合う際におすすめの方法、「アンガーマネジメント」についてお話します!
そもそも怒りの原因とは?
怒りは自分の中にある「〜はこうあるべき(あってほしい)」という、理想や願望、ゆずれない価値観等が裏切られた時に生まれます。
たとえば「もう◯歳なんだから、ご飯前のお片付けはできるべき」などといった感じです。
特に保育士は、園児をしっかり教えないといけない責任感もあるので、保育が思い通りにいかないときは、怒りが発生しやすいといえるでしょう。
怒りは自然に湧き上がってくるものであり、怒りを感じること自体は悪いことではありません。
ただし気をつけなければならないのは、怒りは大きなエネルギーを持っており、扱い方を間違えると他人を傷つけ、自分までもが傷ついてしまうということです。
ではどうすればよいのか、
ここでアンガーマネジメントが役に立ちます。
アンガーマネジメントとは
アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで開発された、怒りの感情と上手につき合うための心理トレーニングです。
アメリカでは怒ることが自己価値を下げる行為とされています。
そうならないためのアンガーマネジメントが広く認知されており、公的機関や大企業、教育現場、スポーツ界などあらゆる場所で普及しています。
そして近年、日本でもアンガーマネジメントを題材にした本が多数発行されたこともあり、官公庁や大手企業をはじめとした多くの組織が導入を進めています。テレビや新聞・雑誌などのメディアでも広く取り上げられるようになりました。
アンガーマネジメントを知ることで、感情に振り回されないスキルを身につけることができます。
アンガーマネジメント
① 6秒カウント
一般的に怒りのピークは、最初の「6秒」といわれています。
この「6秒」は、頭にカーッと血がのぼって熱くなってしまう時間なので、ここをいかにやり過ごすかがアンガーマネジメントの第一歩になります。
ぜひ6秒カウントしてみましょう。
目の前で起こったことが本当に怒るべきかどうなのか、カウントすることで心の余裕を意図的に作りだすことができます。
6秒カウントをさらに効果的にする方法が、”逆算と深呼吸”です。
逆算とは字のごとく「6,5,4,……」とカウントを行う方法で、数字を数えることにより意識が向かうことで、怒りを鎮める効果がアップします。
深呼吸を加えるとさらに効果倍増です。特に腹式呼吸を意識し、ゆっくり吸って吐くことで、沸騰していた自分の感情を抑えることができます。
②メタ認知を意識する
メタ認知とは、客観的な目線をもって「もう1人の自分」が今の自分を認知している状態のことです。
イメージとしては、頭の上の方で「あ、なんか自分、今感情的で怒ってるな〜」と、
もう1人の自分が冷静に見ているような感じです。
もう一人の視点で、自分を観察できるようになると、冷静に今の状態や状況を把握できるようになります。
もし怒りを感じても「今やってしまうと後悔すること」に対して客観的に考えることができるので、最善の選択を考える余裕が自分に生まれます。
怒りはしっかりと感じて大丈夫です。
心情としては間違っていないので、そこを否定する必要はありません。
その上で「あ〜、でもやっぱり怒りは損をするな」と思うことで、結果的に相手との良い関係性を作ることができます。
③あとで検証する
こちらはその場での対処法というよりも、長期的に運用する方法です。
もし怒りを感じる出来事があった日は、帰宅時でも就寝時でも良いので、
怒りをジャンル分けしてみましょう。
この怒りは、
「自分の力で変えられるのか、変えられないのか?」
また、
「重要なことなのか、実は重要なことではないのか?」
もし自分の力では変えられないことだったり、さして重要なことではなかったのだとしたら、それは怒るに値することだったのでしょうか?
実はこう考えるだけでも無駄な怒りをどんどん減らしていくことが可能です。
その日の帰宅時や就寝時でかまいません。
このジャンル分けを習慣化することによって、普段から怒りの感情に対して抑制がきく状態を作ることができます。
まとめ
アンガーマネジメントについてご紹介しました。
大切なことは、
・怒る感情自体は間違っていない。
・その上で冷静になれる行動(6秒カウント)や目線(メタ認知)をもつ。
・怒りを後でジャンル分けする。
です。
実は怒りは2次感情と言われており、その本質は「悲しさ」「不安」といった1次感情にあると言われています。
つまりあなたの根底にあるのは怒りではなく、
「〜してくれなくて悲しかった」
「〜できなくて不安だった」
ではないでしょうか?
もしこのような伝え方をすることができたら、相手の反応も変わってきそうですよね。
ぜひアンガーマネジメントを取り入れてみてください。