小規模保育園に転職するメリットとは

2021.03.31
転職マニュアル
小規模保育園に転職するメリットとは

子供が好きで始めた保育士の仕事なのに、「日々の業務が忙しくて、園児としっかり向き合う保育ができない」。そう悩む保育士も多いと思います。

今回はそんな方におすすめ、現在増え続けている小規模保育園をご紹介します!

小規模保育園とは

小規模保育園は、地域の保育ニーズに細かく対応するために作られた認可保育所の1種です。

0~満3歳未満児が対象で、利用定員は6人以上19人未満となっています。

事業の主体は市町村などの自治体から民間業者までと幅広く、保育者の居宅やその他の場所・施設など、多様なスペースを活用して設置され、基準により「A型」「B型」「C型」の3種類に分かれています。

A型>B型>C型の順で規模が小さくなっていき、求められる基準が緩くなっていきます。

このように3つの基準を設けることで、地域の実情に合った施設を作りやすいように設計され、近年問題とされる待機児童への対策に活用されています。

小規模保育園のメリット

アットホームな雰囲気

小規模保育園は家庭的な雰囲気の中で保育ができる保育施設です。

通常の保育所運営では、園児の年齢が高くなると何十人もの子どもを1人で見なければなりません。

ですが、小規模保育では全体数が最大でも19人となっています。そのため園児の性格や家庭環境などに合わせて、きめ細やかな保育ができるのが特徴です。園児の人数が少なく、保育の内容が柔軟なので、保育士も比較的ゆったりとそれぞれに向けて保育を行えます。

また職員や保護者の数が少なめなこともあり、コミュニケーションが密にとりやすく、人間関係も構築しやすいといえます。

「自分の子供のことを全ての先生がわかってくれている」ということは、保護者にとっても嬉しいことです。これが園への信頼感につながり、自分のやりがいへとつながっていきます。

体力や気力に余裕を持って保育できる

0~2歳児の乳児は、幼児に比べて動きもそれほど早くなく、まだまだ活発に動くのには体の成長も追いついていない状態です。

また社会性や情緒においても発達途上なので、精神的な保育の比重もそこまで重くはありません。そのため複雑な対応をそこまで必要とせず、体力や気力に余裕を持って保育をすることができます。

他にも大がかりな行事が少ないことによって、残業や持ち帰り仕事も少ないというメリットがあります。

認可施設は比較的給料が良い

2015年度から、子どもの保育や子育て支援を総合的に進めるため、「子ども・子育て支援法」が施行され、それを受けて小規模保育施設は、「小規模認可保育所」という扱いを受けるようになりました。

国が認めた園となった小規模保育園は公的な資金援助の対象となり、これによって経営が安定しゆとりが出たため、その分が保育士の給料として反映されるようになりました。実際に求人を見てみると、園によって18万円~26万円くらいの幅があります。

高給とまではいきませんが、仕事の負担が少ない小規模認可保育園であれば、バランスの取れた給料といえます。

小規模保育園を選ぶ時の注意点

集団保育のスキルが身につきにくい

小規模認可保育園の保育は、乳児の身の周りの世話や、自由遊びの見守りとなるため、幼児集団を動かすための経験やスキルは身につきません。

またイベントごとも少ないため、行事に関する運営スキルなども習得しづらいといえます。

もし保育士としてのスキルアップやキャリアアップを考えているようでしたら、このことはキチンと把握しておきましょう。逆に「自分の子育てが落ち着いたので、無理なく保育士としてまた働きたい」、「大型の保育園は経験したので、今度は小規模で細やかな保育を身につけたい」という方にはおすすめです。

1人にかかる責任は重い

小規模保育園は園外保育をすることが多く、出かける時には事故や不審者などのリスクに気を配らなければなりません。さらに保育士の有資格者と無資格者が一緒に働く場合は、保育知識やスキルにバラツキがあることが多く、保育の質を下げずに園児たちと接していかなければなりません。

その点において、有資格者の責任や負担がよりいっそう重くなることがあります。

転職をする際はこのバランスについても、チェックしておきましょう。