子ども目線で気を付けたい!園児の熱中症対策
- 2021.03.07
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近年、暑さが激しさを増し、子どもや高齢者が熱中症によって死亡するケースも増えてきています。もちろん、どの園でも対策をしている事だとは思いますが、室内の活動だからと安心していても熱中症を引き起こしてしまう事もあります。
今回の記事では熱中症の対策についてお伝えしていきたいと思います!
■熱中症とは?
体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調節が出来なくなったりしてめまい、けいれん、頭痛、吐き気など様々な症状を起こす病気です。
子どもはもともと、体温が高い事に加えて、自分の状態や体調を正確に伝える事が得意ではありません。特に年齢が低ければ症状に気付きにくい事があります。だからこそ、一番大切なのは対処よりも予防する事です。
■園内外での予防
戸外遊びの場合
■必ず帽子を被る
帽子を忘れてくる家庭があるのも保育園のあるあるですが、園の帽子を貸し出すなどして必ず被るようにしましょう。直接強い日光を頭に当てると皮膚の表面の温度は危険なほど高くなりますので、戸外での帽子は必須です。
■給水時間を確保する
これは給水の目的と共に、保育者が全員の体調や表情を確認する為もあります。それぞれが好きなことをしている時間には全員の表情や体調を確認しに行く事が難しいケースもあります。ですので、一斉の給水時間を利用して体調の確認を行います。
■天気によって臨機応変に遊びの時間を設定をする
晴れていても風が吹いていて涼しい日もあれば、曇っていても湿度が高く汗をかきやすい日もあります。その時の状態によって長すぎないように時間の設定をしましょう。
室内遊びの場合
■室温を下げる
低すぎる室温は逆に子どもの体温調節機能を低下させていくので、適温を園で定めましょう。また、湿度も大きく影響するので、温度計と共に湿度計も使って両方を適したものにしていく事が大切です。およそですが、室温:26~27℃ 湿度:40~60%を目安にするといいでしょう。
■水分はいつでも摂れるように
園によって様々ですが、子ども自身がのどが渇いた事に気付いて自分で水筒を取りに行ける環境が望ましいと言えます。私の園ではどの年齢も自分で水分を摂れるように水筒を取り出しやすいところに置いています。年齢が低ければそれに加えて水分を定期的に促していきます。
■よくある子どもからの訴えや体調の変化
予防をしていてもその日の体調や朝食を摂っているかなどで発症してしまう事もあります。
私も何度か経験がありますが、幼児であれば熱中症になる前に体調の変化を子どもが訴えてきたり保育士が変化に気付いたりして直前に防ぐことが出来ます。
・顔色が青ざめている
・運動量が落ちる
・腹痛や吐き気を訴える
・気温が高いにも関わらず汗をかいていない
幼児は顕著に運動量が減るので私は一つの目安にしています。また、発汗の有無も代謝が通常通りおこなわれているのか確認しています。
■発症後の対処方法
まず、涼しい環境に連れていき、体を横にします。水分は一気に大量に飲まないように少しずつ摂るようにしていきます。休ませている間に必ず保護者と園長へ連絡し状態を知らせます。保護者によっては受診をお願いされる事もあるので、その場合は園長や主任などに連れて行ってもらう事が多いです。
受診をお願いされなかった場合には、子どもから離れないようにして回復するまで体の熱を冷ましながら様子を見ましょう。昏睡・眠るなどの状態になると命の危険があるので即刻病院へ連れていくようにします。
まとめ
■症状の対処方法よりも予防を心掛ける
・気温、室温を適度にする(園で話し合って決める)
・朝の状態をチェックしておく(睡眠不足や朝食を食べていないと発症しやすい)
・湿度もチェックする(40~60%が目安)
・一斉に水分を補給する時間も設けてもいい(その間に体調のチェックが出来る)
■症状が出た場合
・すぐに冷房の効いた部屋で体を冷ます
・水分は少しずつ摂る
・保護者や園長への報告は必須
・子どもから離れないようにしてよく観察する