食物アレルギーのある園児への対応
- 2021.03.11
- お役立ち情報
保育園に在籍する園児の約20人に1人が、食物アレルギーを持っていると言われています。成長するにしたがって軽減していくと考えられていますが、発症すると最悪の場合アナフィラキシーを起こし、命を落とす危険性があります。
そこで今回は、園児がアレルギー物質を摂取してしまわないように、どのような対応ができるのかをお伝えしたいと思います!
食物アレルギーのある園児の把握
■保護者への聞き取り
まずは、食物アレルギーを持つ児童を把握しておかなければなりません。食物アレルギーに関して配慮が必要な場合には、入園時に保護者から聞き取りを行います。その際に、どの程度の重症度なのか(完全除去をしなければならないのか、加工品などは食べることができるのかなど)を確認します。
また、緊急時にすぐに対応ができるように、かかりつけ医や緊急時連絡先なども聞いておきましょう。処方されている場合には、エピペンの確認、お預かりも行います。1年に1回は再度アレルギーの確認を行い、アレルギー除去が解除されたり、アレルギーが追加されたりする度に情報を更新し職員間で共有を行います。
リスクを軽減するための対応
■除去食
通常の給食から単純にアレルギーの原因を取り除いたものをいいます。見た目も通常の給食と差がなく、アレルギーを持った園児もみんなと同じものが食べられることに喜びを感じることができます。
しかし、見た目が同じため、配膳をする際には特に注意が必要になります。
■代替食
除去食とは異なり、代替食はただアレルギー物質を除去するだけでなく、その代わりに食べられる食品を使用して調理したもののことをいいます。
例えば、小麦アレルギーを持った園児にパンの提供を行う時、小麦粉の代わりに米粉を使用したパンを提供します。
■お弁当を持参してもらう
除去食・代替食で対応が難しい場合には、保護者と相談をし、お家からお弁当を持参してもらいます。
私の保育園では基本的に、アレルギーのある園児の保護者にはお弁当の持参をお願いしています。保護者の負担にはなりますが、お家から持参しているものなのでアレルギーを口にするリスクを最小限に抑えることができます。持参の際には、可能な限り給食と同様のメニューになるようにお願いをしています。
給食を配膳する際の工夫
■食器の色を変える
除去食もしくは代替食で対応をする場合には、一目で分かるようにお盆や食器の色を通常の物と変えます。遠くからでも色の確認ができ、誤配膳した際にはすぐに気付くことができます。
■個別の目印を作成する
私の保育園では「アレルギー除去カード」を作り、何のアレルギーを除去したのかを記載したカードを給食と共にお盆に載せ、配ります。これを行うことで、3歳位になると園児自らもカードの存在に気付き、誤食を防ぐことができます。
動物など可愛い絵柄を取り入れて作ると、アレルギーを持った園児も楽しく食事が摂れます。
■声に出す
配膳する際には必ず食物アレルギーのある園児の名前、何のアレルギーがあるのかを周りの職員にも聞こえるように声に出してから配膳します。声に出すことで、職員が2人以上で確認をしながら配膳することができます。誤配膳を防ぎ、アレルギー物質を口にしてしまうリスクを減らすことができます。
まとめ
■保護者から食物アレルギーに関して聞き取りを行います
アレルギーに対する重症度、緊急時の対応、エピペンの有無などを確認しておきます。
■リスク軽減の対応を行います
代替食・除去食・お弁当で対応を行います。
■配膳をする際にも誤食の無いように工夫を行います
食器の色を変える、個別の目印の作成、声に出して確認を行うなどの工夫を行います。